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「日韓ワールドカップ開催地
バリアフリーチェック」プロジェクト

<日本―在日―韓国>ユースフォーラム
Youth Forum Japan
DPI(障害者インターナショナル)日本会議
Japan National Assembly of Disabled Peoples' International


各競技場のバリアフリーチェックの報告はこちら

T.プロジェクトの主旨・目的

●主旨と目的

2002年にサッカーのワールドカップが、日韓両国の共催で行われる。日韓交流の歴史は長いが、こうした行事を両国がともに行うことは実質的には初めてのことである。特に近代にはいり、日本による朝鮮半島の植民地支配など、負の歴史を共有する両国が、21世紀の初めにこうした世界的な行事を共同で開催するということは、過去を克服し、共生という新しい時代を創り上げていくという面でとても大きな意義をもつ。

さらに、私たちは今、「国家・国民の世紀」であった20世紀を終え、それまで社会の周縁部に置かれていた障害者や外国人なども含めたさまざまな市民が、国家・国民の枠を超えて、地域住民あるいはその国の市民として積極的に社会参画していく時代をむかえている。


この「日韓ワールドカップ開催地 バリアフリーチェック」プロジェクト(以下、バリアフリーチェック)は、こうした歴史的・時代的意義を深く認識し、日韓両国の障害者や健常者、居住外国人などさまざまな市民が交流・協力しながら進めていく事業である。具体的には、両国に10ヶ所ずつあるワールドカップの競技場及びそこまでのアクセスのバリアフリー度の調査を基本とし、さらには開催地自治体の法令・政令などを含めたバリアフリー度のチェックも射程に置く。そして、その結果を毎年日韓両国で交互に開かれる<日本―在日―韓国>ユースフォーラム大会や、2002年に札幌で開催されるもう一つの国際行事「DPI世界会議札幌大会」など、さまざまなチャンネルを通して発表し、調査結果を社会のバリアフリー化に生かしていく道も模索する。

このように、このプロジェクトは両国の多様な市民が多彩な交流をしながら、自らをエンパワーメントし、さまざまなバリアを取り除いていく力をつけ、共生共栄の社会を築き上げていくことを目的とするものである。

●プロジェクトが始まったきっかけ

このプロジェクトは、1999年のユースフォーラム日本大会のプレイベントの講演者、経営コンサルタント・辛淑玉さんの「ワールドカップ開催地の競技場のバリアフリー度を障害者の方とチェックしてみては?」というアイディアから始まったものである。

●経過

ユースフォーラムに参加する団体は長年にわたり、平和運動、戦後補償運動、そして在日コリアンの人権運動に関わってきた。日本と朝鮮半島とは過去、植民地支配や侵略戦争といった歴史的関係を持っている。しかしそれは決して「過去」の問題ではなく、戦後も南北分断、戦後補償問題、そして民族差別など様々なかたちで、多くの人々を苦しめてきた。

日本と朝鮮半島とのこのような歴史的関係からみて、ワールドカップの日韓共催は大きな意味を持っている。私たちは、2002年を「日韓市民交流元年」と位置付け、これまでの歴史に学び、人権・平和・民主主義という普遍的な理念を持った日韓市民交流を実現したいと考えた。そのために、私たち市民の一番身近な「政府」であり、ワールドカップの開催自治体が、人権に配慮したまちづくりをしているのかどうかチェックすることを考えた。


DPI日本会議は、障害者の真の「完全参加と平等」をめざして、当事者主体の障害者施策と障害者の権利擁護の確立に向け活動してきた。

ここ数年、交通アクセスに関するバリアフリー化が進みつつあるが、必ずしも当事者主体のシステムではないということ、またいわゆる「障害者に係る欠格条項」などにみられるように、障害者の資格取得や公共施設の利用に対し、法令・政令上のさまざまな制限があるといった制度的なバリアも深刻な問題であり、DPI日本会議はそうした障壁撤廃のため活動を続けている。

ところで、2002年は4年に一度のDPI世界会議が札幌で開かれる。これは、世界中から2000人以上の人たちが集まる大規模な国際会議である。また、2002年には、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)で「アジア太平洋障壁からの解放の十年」が議決される見通しである。私たちは、この「十年」を通して、障害者が市民として自ら声をあげ、アジア・太平洋地域の障害者の地位を向上させて行かなければならないと考えている。そこで、同じ2002年に行われるワールドカップをきっかけに、韓国の障害をもつ仲間たちとともに、バリアフリー社会を創る取り組みを行おうと考えた。


U.事業目標

  • 市民、地域共同体が参加し2002年を「日韓市民交流元年」とする。
  • バリアフリーチェックを通じて、日韓両国における人権の保障を確立する。
  • 両国の市民レベルでの交流をとおして、相互の信頼と平和の創造、そして障害者団体をはじめ、日韓の地域のさまざまな草の根団体とのネットワークを作る。
  • 障害者の人権について、国際的な基準として評価されている「国連障害者の機会均等化に関する基準規則」を広めていく。
  • 20代30代の若い人たちの自発的な参加を通し、障害者と共に生きるという「社会統合」への道を切り開いていく。

V.期待効果

  • ワールドカップ自体が、単純なスポーツイベントから、人権、平和、民主主義を確立する場となり、人類の繁栄と和合の象徴となる。
  • この活動をステップとして、地域間、団体間など様々なレベルで日韓市民交流、障害者交流が進むと思われる。ここ数年、韓国の市民運動は急速に成長している。日韓間の市民団体・障害者団体の交流が進むことで、双方のレベルアップはもちろん、北東アジア地域全体の障害者運動をはじめとする市民運動のレベルアップが図られることも期待される。
  • こうした市民レベルでの交流を通して、両国の過去にあった負の歴史を克服し、共存共栄の関係を作り上げていく。

W.事業の概要

1.事業名

   「日韓ワールドカップ開催地バリアフリーチェック」

2.場所、日程など

▼バリアフリーチェックの期間 : 2001年6月〜2001年12月

▼対象となる自治体(開催地)・主催団体

JAPAN
(開催地)障害者団体NGO
札幌世界大会地元実行委 
宮城自立生活センターたすけっと 
茨城世界大会地元実行委 
埼玉虹の会 
横浜ふれあいグループ 
新潟自立生活センター・共同連 
静岡自立生活センター 
大阪障大連・共同連韓青連
神戸バリアフリー社会を実現する会韓青連
大分レモンの会 

KOREA
(開催地)障害者団体NGO
ソウル障碍友・DPI・移動奉仕隊KYC
仁川(インチョン) KYC
水原(スーウォン) KYC
大田(テジョン)  
大邱(テグ) KYC
全州(チョンジュ) KYC
蔚山(ウルサン) KYC
光州(クァンジュ) KYC
釜山(プサン) 釜山青年情報文化センター
西帰浦(ソギポ)  

▼プロジェクトの進行表

年/月競技場完成予定プロジェクト(日本)(韓国)
00/11宮城・横浜・大阪第3回会議 
00/12   
01/01 第4回会議 
01/02 第5回会議 
01/03新潟・静岡・大分合同会議
01/04   
01/05札幌・茨城・釜山・水原プリテスト(横浜) 
01/06蔚山  
01/07埼玉・大邱  
01/08 (日)神戸・大阪チェック開始、記者会見 第5回Y.F(大阪)
01/09仁川・大田・全州・光州(各地でチェック)
01/10神戸(各地でチェック)
01/11 (日)横浜でチェック終了
01/12ソウル・西帰浦(韓)ソウルチェックで終了、結果をプレス発表
02/01   
02/02 実務者協議 ・ 要望書提出
02/03   
02/04 報告集会 (東京・ソウル)
02/05   
02/06ワールドカップ  
02/07  最終評価会:第6回Y.F(予定)
02/08   
02/09   
02/10 DPI世界大会(札幌)で報告 

3.主催団体

現在のところ、主催団体の概要は以下のようになっている(2001年3月現在)。

《JAPAN》
●<日本―在日―韓国>ユースフォーラム・ジャパン

日本・在日・韓国の若者の開かれた<出会い・交流・討論の場>をつくろうと97年に始まった行事であるユースフォーラムの日本側準備組織。毎年、両国で交互に開催されている。日本側からは、「在日韓国青年連合」「ピースボート」「ピースデポ」等、多数の団体が参加している。

●DPI日本会議

DPIは、1981年に障害者自らが障害の種別を超えて声をあげようと結成された国際NGO。本部はカナダ、世界本部事務局はニューヨーク。国連経済社会理事会で「特別顧問」のステイタスを持つ。他にユネスコ・WHOなどにもステイタスを持ち、国際的障害者施策に大きな影響力を持つ。現在158カ国に国内組織がある。DPI日本会議は86年にDPIの国内組織としてできた。国内加盟団体は40に及び、政策提言、誰もが使える交通機関を求める全国行動など活動範囲はさまざま。

《KOREA》
●<日本―在日―韓国>ユースフォーラム韓国準備委員会

ユースフォーラムの韓国側準備組織。主な参加団体としては「韓国青年連合会(KYC)」「青年浄土会」「ナワウリ」など多数。

●障碍友権益問題研究所


4.後援

   ※交渉中

5.バリアフリーチェックの対象・項目

このたびのバリアチェックプロジェクトの基本コンセプトは、障害を持つ者をはじめとするさまざまな市民が、自分たちの住む地域を自ら創りだしていく力を養なっていくことにある。特に障害者の場合は昨年11月より施行された通称「交通バリアフリー法」に基づき、バリアフリーにかんする多くの事業が地方自治体の基本構想によって進められるという状況の中、当事者としてのエンパワーメントは切実である。こうしたことを踏まえ、チェックの内容等については以下のとおり。

  1. チェック範囲
        
    1. 競技場と周辺施設:特に点字案内、ラジカセ案内など顧客として扱っているか?   
    2. 交通手段:空港、リフト付きシャトルバス、車椅子対応タクシーまでチェックしたいとの要望があった。
    3. 自治体施策:これについては日韓の自治体施策の違い、あるいは実際のチェック時において、各地域の物理的な状況をかんがみ、オプションとする。
  2. 詳細なチェック項目
       日本側が提出した項目案を基本として、韓国側が提示した項目をオプション事項とする。DPI日本会議の方でチェックリストを4月まで作成し、最終調整をする。チェックリストの内容は、複雑なものではなく皆が扱えるようなわかりやすいものとする。
       参加者は地元の障害者、市民団体の参加を基本に、10人から多いところで50人程度を想定している。また、キャップハンディのような企画も考えており、イベント性を持たせた取り組みにしたいと考えている。
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