e-mail

韓国側発題文

韓国および国際社会における北朝鮮支援の現況と北朝鮮の食料現況

※韓国統一部の資料を土台に作成

T.韓国および国際社会における北朝鮮支援の現況

1.'95年〜'99年までの国際社会における北朝鮮支援の現況

1997年、国際的な救護機構は、北朝鮮の食糧難をインドやアフリカよりもより深刻な水準であると把握し、北朝鮮を世界第一級の人道対象国家として選定した。対北支援長期化による疲労現状(Donor's Fatigue)、一部のNGOの北朝鮮撤収(NSF, Oxfam, ACF) などにもかかわらず、主要国政府の政策的な次元の支援拡大によって対北支援は増加する趨勢である。

95年 96年 97年 98年 99年
2.8億ドル 0.9億ドル 2.6億ドル 3.3億ドル 3.8億ドル

▼過去5年間における主要国の北朝鮮支援現況
−統一部人道支援局推計−(単位:万ドル)
順位 95年 96年 97年 98年 99年
1 韓国(23,225) 中国(3,055) EU(6,370) 米国(17,185) 米国(20,700)
2 日本(2,300) EU(910) 米国(5,754) EU(4,981) 中国(7,860)
3 中国(362) 米国(717) 韓国(4,723) 中国(3,500) 韓国(4,688)
4 米国(223) 日本(600) 中国(3,768) 韓国(3,185) EU(3,740)
5 EU(38) 韓国(460) 日本(2,700) スイス(626) スウェーデン(440)
注)韓国は民間支援分を含む。中国は統一部人道支援局推定値。その他の国家は各国発表値およびUNの統計を参考。
▼韓国および国際社会北朝鮮人道支援現況
(単位:万ドル)
区分 韓国
('99.12.31現在)
国際社会(韓国は除外)
('99.10.31現在)
'95.6〜'98.2 政府 26,172 UN機関 17,206
民間 2,236 各国政府 17,206
小計 28,408 国際NGO 17,273
小計 41,680
'98.3〜'98.12 政府 1,100 UN機関 20,487
民間 2,085 各国政府 7,943
小計 3,185 国際NGO 1,769
小計 30,199
'99.1〜 政府 2,825 UN機関 20,263
民間 1,863 各国政府 15,100
小計 4,688 国際NGO 492
小計 35,855
総計 36,281 107,734
備考 トウモロコシに換算して227万トン トウモロコシに換算して673万トン
注1)UN機関:WFP, UNICEF, WHO, UNDP 等
注2)国際NGO:国際赤十字, Americares, ユジンベル, カリタス, Mercy Corps, Interaction, ADRA, CARE, MSF, German, Agro Action, NRC, VIVA, 総連 等
 
  • 99年、内容別には食料が全体の94%で1.78億ドル、非食料(医薬品等)が1,200万ドルを占めており、98年に引き続き99年も食料は支援目標を越えているが、保健医療分野など非食料分野の支援実績は不明。

2.2000年1/4期間および4月中旬の国際社会における北朝鮮支援の現況

(1)UN機構を通じた支援:UNの今年の対北支援計画は3.3億ドル相当(99.11発表)

  1. 豪州(390万ドル)、韓国(50万ドル)、日本(米10万トン)、3カ国が参与意志を発表、EUが88万ドル相当の原動機を支援することに決定(1.20)。
  2. UNDP、対北農業復旧・環境保護(AREP)第3回円卓会議を6.20-21の期間、ジュネーブで開催する計画。
  3. WFPの緊急救護計画(EMOP, 99.7-2000.6)は北朝鮮当局の批准を受けたが、中期復旧計画(PRRO, 2000.1-12)は未だに批准待機中。
  4. UNICEFなどが要求する第2回子供栄養調査(1回, 98.11)はUNの参与なしに北側単独で遂行することに決定(1.31, WFP)。

(2)国際NGOを通じた支援

  1. CAFOD(英国)が農業開発に26万ドル、ACT(米国)が保健分野に275万ドルを支援する計画を発表(2.16)、ヨーロッパのNGOであるCAD(英国)、CW(アイルランド)、CESVI(イタリア)を通じて病院用石炭と衣服を支援、IFRCは保健分野などに957万ドル相当の支援計画案を発表(99.12.14)、ISR(米国)は235万ドル相当の医薬品を(2.22-29)、MCIはリンゴの苗木1万株など(3.9-14)を支援。
  2. 国際NGOのACFがMSF、Oxfamに続いて北朝鮮から撤収(3.9)。
  3. 最近北朝鮮内では、UNの活動に対しても迅速な協力がなされず、ACF(3.9)等、国際NGOが北朝鮮から撤収する雰囲気がある状況。

(3)国別の支援現況

  1. 米国の民間団体活動:東洋宣教会(LA所在)、韓民族福祉財団(国内法人)を通じて北朝鮮に今年末までに60万ドル相当の医薬品を支援する計画(4.12)。
    RFA、CAREが6月に北朝鮮から撤収すると報道(4.6)。
  2. 日本の民間団体活動:東京都議会 東京−平壌友好交流会、粉乳(1.6トン)支援計画を発表(4.6)。対北支援国際NGO大会準備中(6.30-7.3, 東京予定)−JVC、YMCA、「北朝鮮人道支援募金」など、17の日本NGOが共同主催、韓国・米国・ヨーロッパの対北支援団体を招請する予定。

3.99年および2000年上半期(4月まで)韓国における北朝鮮支援の現況

(1)99年の韓国対北支援の方向と現況

  1. 政府次元の大規模な直接支援は、農業開発の支援に重点を置いているが、柔軟な相互主義を堅持し、赤十字などを通じた人道的次元の対北支援には無条件参与するということが新政府初盤の原則(2,825万ドル)。
  2. 民間次元の支援に対しては、政府が民間団体の自立性と同胞愛に基づいた人道主義の精神を尊重、支援を無条件に許容することを基本原則とする。
    1. 「99.2.10 民間対北支援窓口多元化措置」以降、韓国赤十字以外に10団体が対北支援を独自の窓口で活動。85.3億ウォン支援(36.5%)。韓国赤十字の窓口を通じた支援(63.5%):23団体25.2億ウォンおよび肥料国民募金123.3億ウォン)去る1年間、10団体全てが52回にかけて対北支援を推進し、平均週1回の対北支援がなされ、毎回の支援で平均1.6億ウォン相当の救護品が伝達。
      :統一部は窓口多元化が、南北住民間の接触面の拡大(救護者の訪北増加)と南北交流の多辺化に寄与しており、またこれによって、対北支援の規模が拡大されはしなかったが、年間の持続的な支援、小規模での適時な支援、支援団体関係者の現場接近が拡大、そしてこれによる対北支援の専門性と効率性引き上げの契機になったと評価。
    2. 現在「同胞助け合い」など20余の団体が持続的に対北支援を推進中。
    3. 政府はまた、民間の対北支援団体間に対して協力体制の構築を誘導し、共同購買・共同輸送によって間接経費の節減を計画し、支援分野と地域を特化するなど、対北支援の効率性を引き上げる方針。
      :99年4月29日 対北支援民間団体協議機構が発足。
    4. 窓口多元化によって全体的な民間対北支援の規模は増加せず、国内経済事情、対北支援の長期化によって財源拡充に支障が出るなど、全般的減少趨勢が続いている。
      ※97.2-98.2.10:182.1億ウォン
      ※98.2-99.2.10::285.8億ウォン(鄭周永氏の支援額144億ウォンを除いて141.8億ウォン)
      ※99.2-00.1.10:233.8億ウォン(肥料支援国民募金123.3億ウォンを除いて110.5億ウォン)


▼民間対北支援窓口現況
団体名 窓口開設日 窓口開設以降の実績 支援累計
ユジンベルプロジェクト 99.2.19 X-ray車、結核治療整備等11億8564万ウォン 22億849万ウォン
基督教北朝鮮同胞後援連合会 99.2.24 医療、小麦粉、肥料、噴霧器等10億7094万ウォン 39億5619万ウォン
韓国JTS 99.3.16 肥料、歯科装備、砂糖、粉乳等3億9679万ウォン 4億6943万ウォン
韓国隣人愛会 99.3.16 牛乳滅菌タンク、獣医薬品、資料用豆等5416万ウォン 4億5016万ウォン
ワールドビジョン 99.3.19 医薬品、温室資材、苗ジャガイモ等4億9645万ウォン 10億2382万ウォン
同胞助け合い運動 99.4.16 衣類、医薬品、トウモロコシ、山羊の乳等43億1245万ウォン 82億5805万ウォン
韓国ロータリー財団 99.4.28 救急車、医薬品等4031万ウォン 3.7億ウォン
天主教民族和解委員会 99.5.10 肥料、トウモロコシ、中古衣類、靴等7億9077万ウォン 44億1808万ウォン
国際トウモロコシ財団 99.5.31 種ジャガイモ100万ウォン、※協力事業方式で19億ウォン 21億1181万ウォン
民族和合仏教推進委員会 99.11.29 衣類、靴等2億683万ウォン 7億9623万ウォン
総計:10窓口の対北支援規模は85.3億ウォン
  • 全体的に、食料などの消耗的な支援より食糧難の根元的解決を助ける農業開発支援と人道的に急がれる保健医療支援を拡大しなければならないという問題意識を持っている。

(2)2000年1/4期間および4月中旬の韓国における北支援の現況

  1. 政府次元の支援
    1. 7団体に南北協力基金46.49億ウォンを支援−民間の対北支援が安定的な財源の後ろ盾を受け、内実をもって持続することができるよう「人道的次元の対北支援事業処理に関する規定」(99.10)に基づいて施行。:支援対象は北朝鮮と持続的に推進してきた事業(※新規事業は原則的に排除)に対して、事業の妥当性、団体適合性、分配透明性、確保水準などを総合的に考慮し、決定する。
    2. WHOに50万ドル寄与。
  2. 民間次元の支援
    1. 56.2億ウォン相当で昨年同期(1/4期間)22.2億ウォンの2.5倍。
    2. 国内の民間団体の対北支援規模と救護関係者の訪北増加。
    3. 独自窓口の比重が47%から91%に拡大。
    4. 分野別には一般救護86.9%(48.7億ウォン)、保健医療、11.7%(6.6億ウォン)農業開発0.4%(0.9億ウォン)。
    5. 別途に、国際トウモロコシ財団が農業協力方式で肥料1,350トン(4億ウォン)支援。
    6. 農業開発分野は、師範事業または協商段階を経て、農作業の季節(4月以降)に支援が本格化。現在、4団体が肥料4,200トン(12.6億ウォン相当)支援計画を確定。
    7. トウモロコシ財団、JTS、助け合いなどは、北朝鮮内30カ所14,500町歩にトウモロコシとジャガイモ増産のための種子改良と農業資材支援を推進。
    8. ワールドビジョン、平仏協、JTSは食品加工工場8カ所を運営、麺と子供の栄養食を支援中。
    9. その他、野菜(ワールドビジョン)、畜産(隣人愛会、助け合い)、蚕業(助け合い)分野でも技術支援および資材支援を推進中。

U.北朝鮮の食料現況および政策(2000年上半期)

1.北朝鮮は今年も農業部門に対する政策的強調を持続

  1. 98年には中小型発電所建設を、99年には土地整理事業を提示
    初めての現地指導(1.24)の対象を土地整理事業(平安北道)として行い、金日成誕生報告大会(2.15)で土地整理事業(江原道)を業績の一つとして言及。昨年、穀物生産が5年ぶりに400万トンのラインを回復(422万トン)するとともに、土地整理事業(水害復旧)を評価するなど、自信感の回復を示唆。
    江原道事業は3万町歩(全体耕作地の30%)を対象に昨年に終了、平安北道は5.5万町歩(全体の20%)を目標に、今年、種まき期の移転完了が目標。
  2. ジャガイモ革命・養魚事業を「全群衆的運動課題」と設定
  3. 比較的現実性のある政策課題を提示(農業労働者大会、1.26-27):ア)肥料など農業物資確保 イ)高収穫トウモロコシの採種体計を確立 ウ)バイロスのないジャガイモ種子早期供給 エ)二毛作農業改善 オ)家畜業・養魚事業 持続推進 カ)農地・防波堤など早期復旧
  4. しかし、依然として穀物の最小需要に100万トン近くが不足、WFPは北朝鮮の公共配給が5月中旬に中断するだろうと展望(1.6) UN OCHAは公共配給網を通じた食糧配給は6月まで持続可能だと発表(3.31)。
  5. 貯水量が不足しており、農業のために6月の雨期まで発展を制限。
  6. 今年も肥料の必要量は76-80万トン、確保量は6万トンと評価。

2.春期国土管理

  • 6.7万町歩に10億株を植林(昨年には10万町歩に7億株を植林)。
    ※10億株の正常な植林面積は20万町歩であり、速成樹を密植栽培し、中間段階で燃料などに使用すると分析される。(統一部)

3.今年には食糧事情の他に、特に電力事情の困難性を公開的に呼びかけ

  1. 対内的には労働新聞(99.12.19)を通じて節電運動を呼びかけ、対外的には中央通信(2.22)を通じて『最悪の電力難』を強調。
  2. 黄海北道では農業用水備蓄のために発電中断(WEP2.4)、電力難で食水供給能力が1日2時間に低下(UNICEDF、2.24)。

4.外部からの支援確保に関連した外交動向

期間中、外務・貿易省のアジア巡訪、西側外交強化(イタリア修交、北−日赤十字会談)などを通じた外部からの援助獲得のために多角的な努力を展開。

  1. ペクナムスン外務省、中国・ラオス・ベトナムなど訪問(3.18-28)。
  2. カンジョンモ外務省、台湾など訪問(2.12-29)、UNCTAD会議では国際金融機構の開発途上国支援拡大を要求。
  3. 一方で、米国、日本との協商を通じた支援確保努力持続。
  4. 第1回発展途上国会議(4.10、キューバ)時、キムヨンナムが、国内の経済活動を十分に行えば自給経済の建設が可能だと演説。
  5. 中国−高層気象装備・気象伝達設備など対北支援(1.19)。
    ・北朝鮮は95年水害以降、気象観測装備を補強中(韓国も96年WMOを通じて5万ドル相当の気象装備支援)。
Copyright(C) 2001, Youth-Forum Japan Committee, All rights reserved.