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日本側発題文

日本の言論の北朝鮮報道 VTR上映

 発題者:柳菜織美 白政裕
       

はじめに

2000年3月に日本政府は北朝鮮に対し米10万トンの支援を決定した。このことは97年以降、3年ぶりの対北朝鮮食料援助となる。1998年8月に北朝鮮が「テポドン」を発射して以降、日本政府は食糧支援をを凍結し、日本社会の食糧援助に対する雰囲気も一気に冷え込んでいった現在においても日本政府及び日本社会は北朝鮮の政治、軍事的問題に対して、偏見に満ちたイメージを持っている。

北朝鮮人道支援を日本社会で進めていくにあたって、これらの問題点について共に討論していきたい。

 

VTR内容

1.「激論ドーなる!?北朝鮮ドーする!?日本」
朝まで生テレビ  97.5.30 朝日放送

元外務大臣,専門家,著名人による討論番組,番組の最後の方に視聴者に討論した問題を アンケートし電話やFAXなどで募集する.そして最後に結果が発表される。

オープニングのナレーション

「あまりにも近くあまりにも遠い北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国,一説には毎日二千人の餓死者が出ているともいわれている北朝鮮。

西側の情報を遮断し主体思想に基づく独自の社会主義を目指してきた北朝鮮が今日 本に食料援助を求めている。これに対し人道的立場から日本も早急に食料援助を行 うべきだという意見と、国会でも問題になったいくつかの日本人拉致疑惑が解決され てない以上慎重に対応すべきだという意見がある。

さらに先日摘発された北朝鮮の船から大量の覚せい剤が発見された事件は北朝鮮に 対する新たな疑惑を生んだ。またここにきて米国軍事筋は中距離弾道ミサイル「ノド ン一号」の射程距離が日本列島全体におよぶまでに改良されたと発表。その真偽と 米国側の意図をめぐり様々な臆測が飛び交っている。

そして北朝鮮から韓国への亡命者が相次ぐ中で、ついに高官の黄ジャンヨプ元書記ま でもが亡命するにいたった。

窮状が伝えられる北朝鮮。事態の進展によっては大量の難民が日本や東アジア諸国 にあふれ出る可能性もあるといわれている中で、その時日本はどのような対応を取る のか?

今北朝鮮はどうなっているのか?日本人拉致疑惑はどうするべきなのか?

日本政府は食糧援助をするのか、しないのか?激論どうなる北朝鮮,どうする日本?」

2.「ミサイル日本を越えて着弾 北朝鮮、新型 テポドン 試射か」
朝日新聞 1999.8.30

3.「進むか対話,日朝交渉今日再開」
 NHK クローズアップ現代 2000.4.4

ナレーション

「近くて遠い国、北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国。7年5か月ぶりに日本と北朝鮮の国交正常化交渉が再開されます。

しかし日朝間には未解決の課題が山積されています。おととし北朝鮮が打ち上げた弾道ミサイル「テポドン」。日本の安全保障に新たな脅威をもたらしています。そして20数年前立て続けに起きた日本人の拉致疑惑,解決の糸口すらつかめずに家族は帰りを待ちわびています。

(家族の声)『もう私達も年を取ってきていますし,先もないですし・・・・一度でいいからあの子の声が聞きたい、顔が見たい・・・』

多くの懸案を抱える中で日本と北朝鮮の対話は進むのか?

国交正常化交渉の課題を探ります。」

4.「軍人国家」
週間アエラ 1999.4.15 朝日新聞ウィークリー

5.「防衛庁意識調査:戦争に巻き込まれる危険感じる人 30.5%に」
日本総理府 自衛隊・防衛問題に関する世論調査 2000.5.13

※全国成人男女5000人対象(回収率 69.2%)

「...日本国民が北朝鮮によるミサイル発射などで日本の安全保障上の脅威を感じている...97年より9.4%増えている。」

6.チマチョゴリ事件
1994年 北朝鮮核疑惑時における女生徒の写真

  • チマチョゴリ事件とは日本全国で144校を数える朝鮮民族学校に通う学生を攻撃対象として暴言、暴行、傷害を人権侵害事件である。
  • 1998年のテポドン発射時においても東京都の中級部1年生の女生徒が男に傘で殴られ、唾を吐きかけられるなどの暴行や、朝鮮学校に「チマチョゴリを着ている女生徒を拉致してやる」などといった脅迫電話が相次いだ。

7.「北朝鮮 米支援 3/7 政府決定へ」
読売新聞 2000.3.4

「...北朝鮮による日本人拉致疑惑問題などで日朝両国の主張の隔たりは容易に深まりそうにない。」

8.「食糧支援 外相に抗議 「拉致」の家族ら」
2000.3.7

9.「日本人拉致疑惑は現在7件10人 「拉致」は1977-1980年に集中している」
NHKスペシャル 1999.6.11 NHK

10.「食糧支援決定に対して拉致の家族らが抗議運動」
週間アエラ 1999.4.15 朝日新聞ウィークリー

   横田めぐみさん(当時 中学1年生 23年前にいなくなった)の両親の訴え
   「...日本の子どもたちのことを考えて下さい。」

11.「平和構築に実働型NGO生かせ/熊岡路矢さん 日本国際ボランティアセンター」
朝日新聞 論壇 1999.6.3

「...日本政府は人道援助を政治問題と切り離し、国連機構やNGOと協力して実施すべきであり、年少者や女性、老人に対する食糧は緊急に必要だ」

12.北朝鮮人道支援活動を行っている日本のNGO団体一覧件
北朝鮮人道支援日韓NGOフォーラム資料 1999.2.21

「...北朝鮮支援活動において緊急援助や子どもへの支援などでそれなりの成果を得ることができた。...しかし日本国内においてテポドン以降、思うように募金できない、関心が低い、北朝鮮政府に対する不信から援助に対する反発があるなど、問題もある。」(アンケートの一部より)

13.韓青連の募金活動の様子
1999.7.25、2000.4.2


日本人意識調査

朝日放送 ニュースステーション 1999.1.23
※電話世論調査 全国125地点1000人 回答率59.2%

  • Q.あなたは北朝鮮の核製造の疑惑について関心がありますか?
    • 大いに関心がある 62%
    • 少し関心がある  27%
    • あまり関心がない 8%
    • 全く関心がない  3%
    →テポドン騒動が尾を引いているのか,核疑惑の行方に多くの国民が注目している。

     

  • Q.北朝鮮が核兵器を製造中,もしくは,持っているとおもうか?
    • 思う  88%
    • 思わない 5%
    • その他  7% 
    →9割近くの人が,北朝鮮に対して不信感、不安感を抱いていることが分かる。

     

  • 北朝鮮に対して米国は,今後どのような態度で望むべきか?
    • 話合いを続けるべき 55%
    • 援助を打ち切るべき 30%
    • 疑惑施設を攻撃   6%
    • その他       9%

     

  • Q.日本政府は北朝鮮に食料援助や国交正常化への政策をとってきました。今後,北朝鮮に対する政策をどうすればよいか?
    • 友好政策を続ける  31%
    • 強硬政策に転換する 59%
    • その他       10%
    →北朝鮮に対する国民の厳しい視線が感じられる

     

    Q.日本政府はどのような対策をうつべきだと思いますか?
    • 外交努力  36%
    • 偵察衛生  34%
    • 迎撃能力  15%
    • その他   15%

    日経3000人アンケート 97.9/12-14

  • Q.日本と北朝鮮は国交正常化交渉再開で合意したが,北朝鮮への食料支援についてどう考えているか
    • 日本人妻里帰り,日本人らち疑惑で北朝鮮が誠意ある態度を示さない限り食料援助をすべきではない 23.7%
    • 問題に進展があれば,国連を通じた食料支援なら応じてもよい 26.5%
    • 北朝鮮の一般の人々は食料不足に苦しんでいるので,人道的対場から無条件で支援してもよい 43.7%
    • その他  6% 

終わりに

−日本は北朝鮮に対して真摯な姿勢ではない−

  1. 日本は過去から現在において朝鮮半島の緊張緩和については消極的であり、また戦後補償も棚あげてしている。北朝鮮に対しては敵対心を示すが傍観的態度である。
  2. 日本政府は余剰米を抱えているにもかかわらず食糧援助に熱意を示していないのは異様である。日本政府に関心があるのは日本人の人権であり、普遍的人権に関心がないというのは間違っている。
  3. 北朝鮮のミサイルが迫ってきているから日本は日米ガイドラインで対応するというのは朝鮮半島の冷戦終結に対して消極的であるし、日本は北朝鮮に対して高圧的で自閉的な対応しかとれていない。

―日本は食糧支援を実施すべきである―

  • 人権の普遍性という姿勢で日本は食糧援助すべきであって、ミサイルや核施設、日 本人拉致疑惑問題などと交換してはならない。
       
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