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京都フィールドワーク コース1
ウトロ地域フィールドワークと高麗美術館見学

趣旨と概要

このコースではウトロ地域と高麗美術館の二カ所を訪問します。日本のアジア侵略と朝鮮植民地支配の結果形成されたウトロ地区には、今も在日コリアンが居住しており、現在土地の所有を巡って裁判が行われています。また高麗美術館では、近代以前の友好的な朝日関係の歴史を伺い知れる展示品が数多くあります。

二カ所の見学を通じて、中世から近代にかけての長いスパンでの日朝関係史を学びたいと思います。

フィールワーク内容

まず午前中に京都南部にあるウトロ地域を訪問します。ここは、約70世帯230人の在日朝鮮人が暮らす町です。日本の侵略戦争の最中、日産車体という民間会社によって「京都飛行場」建設が行われ、多くの朝鮮人が厳しい労働に従事させられました。日本敗戦後も彼・彼女たちは何らの補償もされず放置され、その結果形成されたのがウトロ地域です。その後、住民たちの努力によって、ウトロは住民にとって「第二の故郷」となろうとしていました。ところが、この土地の所有者であった日産車体が、住民に無断でこの土地を不動産会社に売り渡してしまい、この会社が10数年前に、住民に対して立ち退きを求める訴訟を起こしました。日本の植民地支配の被害者である住民が「被告」になるという理不尽な裁判ですが、信じられないことに、京都地裁、大阪高裁そして去る6月24日には最高裁判所が住民に立ち退きを求める判決を下しました。

ウトロ現地のフィールドワークでは、ウトロの歴史・現状・これからについて講演をうけた後、地区内のフィールドワークを行います。そして、判決が確定し、強制執行がいつ行われてもおかしくないという切迫した状況のなか、韓国・在日・日本の学生と青年が何ができるかについて考えます。

次に高麗美術館を見学します。 高麗美術館では、高麗青磁、李朝白磁などの陶磁器、仏像、石像、家具など、朝鮮民族が歴史と生活の中で作ってきた美術品が1700点もあります。京都市北区に位置し、1988年10月に開館しました。この美術館は、開館3ヶ月前に亡くなられた在日朝鮮人1世の鄭韶文氏が40年に渡って収集した美術品が収められており、建物も鄭氏の自宅を改築して建てられました。鄭氏は過去の統一国家「高麗」の名前をこの美術館につけ、同胞に対する熱いメッセージを込めながら、韓国の風土の中で育った豊かな美を伝えています。

今回のフィールドワークでは、この美術館が設立された経緯などについて説明を受けながら見学を行います。日本の美術にとって朝鮮半島は故郷ともいえる場所であり、とりわけ陶磁器の世界における影響ははかりしれないものがあります。朝鮮の美術品を見る中から、朝鮮と日本の関係の歴史・未来について認識を深めたいと思います。

夕方、時間に余裕があれば、京都大学周辺を散策し、日本の学生運動の雰囲気を感じてもらいたいと考えています。交流会では、当日のフィールドワークの内容を互いに交換し合って、意見交換をおこない、それを踏まえて在日朝鮮人をめぐる問題について議論を深める予定です。

タイムスケジュール

10:00ウトロ訪問・講演
11:30昼食
12:30ウトロ地域フィールドワーク
15:00高麗美術館見学
17:30京都大学散策
18:00交流会
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