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兵庫フィールドワーク コース1
甲陽園トンネル探訪と在日一世の歩み
―在日コリアンの歴史と共生社会への挑戦

趣旨と概要

このコースでは、兵庫県西宮市に残る甲陽園トンネルを訪問した後、戦中から現在まで、継続して西宮市に在住されている在日コリアン1世の徐元洙さんの個人史を聞きます。アジア太平洋戦争と朝鮮植民地という厳しい時代を、戦跡訪問と1世の生き証人の方のお話を通じて体感、想像し、未来の平和創造に向けた教訓を学びたいと思います。

また夕方からは兵庫Aコースと合流し、在日コリアンだけでなく、ベトナムやフィリピンなど多くの外国人との共生社会実現に取り組む団体を訪問し、外国人を取り巻く状況や支援活動の内容について話を聞きます。

フィールドワーク内容

このコースでまずはじめに訪れるのは、兵庫県西宮市にある甲陽園トンネルです。

アジア太平洋戦争末期、米軍機による日本本土に対する爆撃が本格的に始まると、日本各地で数多くの地下トンネル建設が開始されました。トンネルを掘るための危険な工事に動員された人は、強制連行者を含む多くの朝鮮人でした。現在も各地の研究グループや市民団体が調査していますが、明らかになった所は一部分に過ぎません。

兵庫県に対する本格的な空襲は、1945年1月、航空機生産工場に対して始められ、この時期から兵庫県内で地下工場建設計画が具体化され、実質的に開始されました。「川西航空機」という飛行機生産会社は、兵庫県内で数カ所の大規模地下工場を建設し、日本軍により多くの朝鮮人が動員され、工事中に死んだ人もいました。今回訪れる甲陽園トンネルも川西航空機が作ったトンネルで、その内壁には、「朝鮮国独立」「春」などの文字が今も残っています。

甲陽園トンネルを見学した後、このトンネルを史跡として保存させるために活動している研究グループの会員で、在日朝鮮人1世の徐元洙さんのお話を聞きます。徐さんは1933年、小学生の時に日本に渡ってこられ、今年で75歳。高校を卒業された後、ソウルの朝鮮総督府に就職されましたが、日帝の朝鮮植民地支配の実体を知って、民族解放運動に参加するようになりました。1944年、再び日本に来た時、友人に送った手紙が「朝鮮独立運動に暗躍した」とされ、特効警察に逮捕されました。8ヶ月後に釈放され、その6ヶ月後に祖国の解放を迎えられました。

解放後は、現在の朝鮮総連の前進である「在日本朝鮮人連盟」という団体で、民族学校の運営に努力されておられましたが、1948年、GHGの命令で日本に有る朝鮮人学校が閉鎖されました。その命令に反対する「阪神教育闘争」が大阪や神戸で展開され増したが、その時も反対運動に参与されました。

現在は、「兵庫県朝鮮関係研究会」の会員として、植民地時代や解放後の資料収集、記録整理の活動をされておられます。

次に、神戸市長田区を訪れます。大阪市の生野区に次いで日本全国で2番目にコリアンが多く住む地域で、朝鮮学校や韓国料理の店などがたくさんあります。ただ、今回の長田区フィールドワークでは、在日コリアンだけでなく、この地域で進められている「外国人との共生の町づくり」という視点からいくつかの箇所を訪ねてみたいと思います。

長田区は1995年の阪神淡路大震災の時、特に被害が深刻な地域でした。この地域は、神戸市の中でも開発が最も遅れていた地域であったことに加えて、90年代に入って日本に来たフィリピンやベトナムなどの外国人労働者たちも多く住んでいる地域で、そうした人々にとって阪神淡路大震災は2重・3重の苦しみを与えました。

今回の長田区フィールドワークでは、大地震を契機に結成された「神戸定住外国人支援センター」を訪れ、震災を契機に取り組まれている「外国人との共生の町づくり」について考えてみたいと思います。

タイムスケジュール

10:00甲陽園トンネル見学
12:30昼食
13:00徐元洙さん講演
16:00定住外国人支援センター訪問
18:00須磨海岸で交流会
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